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里ちゃん市場の挑戦

第4話(1/31)
「市場の原点・老人が作った野菜」


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塩江を愛するがあまり、役場を辞めて未知なる八百屋の世界に飛び込んだ佐藤さん。そのお店「里ちゃん市場」の魅力と、10月にオープンした丸亀店の成長を見守っていこう。

CHAPTER 4

 すっかり雪景色の塩江・里ちゃん市場を久しぶりに訪れました。以前から「私は老人が作った形は悪いけど味のある野菜を、10円でも20円でも値段つけて売ってあげたい」という佐藤さんのポリシーを聞いていた私は、ぜひ1度、野菜を取りに行くところに同行させてください、とお願いしていたのです。

  今回お邪魔したのは、塩江の山奥で「ほしの農園」という名前で農業を営んでいる星野道雄さんのお宅です。星野さんは17年前まで大阪で自動車学校の先生をしていました。現在は塩江のカラオケ同好会の会長もつとめ、町の会合などにも頻繁に顔を出すご意見番的な存在です。


 畑は自宅から数百mにわたって広がっています。山ひとつがまるまる星野さんのお宅のような錯覚さえ受けながら、雪の中を畑に向かいます。本当ならこの日は野菜には手をつけない日だったのですが、私のために大根を数本抜いてくださいました。大根は凍っていました。凍った大根というのは溶けると割れてしまうそうで使い物にならないといわれているのですが、なぜか自然に土の中で解凍された大根は味に変化がないそうです。

 「やっぱり里ちゃん市場みたいな産直系のお店では、百姓が店に立って野菜の説明ができるほうがお客さんのため」と、星野さんは佐藤さんが里ちゃん市場をオープンした時からアドバイザーとして関わっています。実際に自宅でつけたたくわんをいただきましたが、これが歯ごたえ十分で野菜の味をもれなく生かしたおいしさ。しかし本当の有機農法で野菜を育てているほしの農園では「たとえば白菜10個作って、売り物になるのは2,3個。だから儲けようとか思わんと、道楽でなかったらできん。」と話してくれました。

 質のいい野菜は高い。それに定期的に納品できないので商売にならない。この障害をなんとか乗り越えられないか、と佐藤さんはいつも思いをめぐらせているのだそうです。



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