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里ちゃん市場の挑戦
第1話(12/1)
「43歳で八百屋になった男」


「おくさーん!」と昔かたぎの
八百屋っぷりが魅力的


 ひと昔前なら八百屋のおじさんがお客さんに声をかけるのは当たり前でした。さりげなく、かつ明るくお客さんのふところに飛び込んで、良い品物と笑顔を提供して私たちを幸せな気分にしてくれる…「里ちゃん市場」の看板社長・佐藤好邦さんにはじめて出会った時の印象は「昔ながらの八百屋の親父」そのものでした。
 1本100円の値がつけられた巨大なダイコン。「お客さんの足と比べてみて!」と冗談を交えながらつねに笑顔。どうやら客を楽しませなければ気が済まない人物のようで、サワガニやら一升ビンに入ったマムシやら、八百屋にまったく関係ない商品が店頭に並ぶこともしばしばのようです。「お客さんに見てもらおうと思うてな」とうれしそうに語る佐藤さんの表情は、心からこの仕事を楽しんでいるようにしか見えません。



 里ちゃん市場が塩江にオープンしたのは3年前。佐藤さんは43歳にして「役場の人」から「八百屋」に転身したというユニークなキャリアの持ち主でもあるのです。「塩江町・経済産業観光課課長」として、普通ならば将来の貯蓄と子供の受験と日々の安定をねがってやまない年頃に、やったこともない仕事・八百屋をやってみよう、とあっさり役場を辞めてしまったのです。
 それもこれもひとえに「わたしは誰よりも塩江の町を愛している」と言いきる佐藤さんの熱い想いがあったからだといいます。

「塩江は温泉の町。高松空港からも近く、本来ならもっとにぎやかな町であるはずなのに、温泉を目当てに車を走らせると、目の前に映るのはあまりにもさみしい町並み。温泉で食べる食事もよその食材を使った料理で魅力がない。地元の老人が作った野菜を扱う店を自分が作ることで少しでもにぎやかさがでればと思って店をはじめた」そうです。

 現に塩江町の人口はこの10年で約10%減少しており、(国勢調査より。平成2年=3980人、平成12年=3640人) このままでは町は寂しさを増すばかりです。


こちらが丸亀駅近くにある
里ちゃん市場の丸亀店


これが超極太ダイコン
1本100円はサービス価格



これが本家・里ちゃん市場
193号線を塩江温泉に
向かう途中にみえる


 里ちゃん市場の社長の仕事は「野菜を仕入れて、値段をつけて売る」といういたってシンプルなものです。「老人の作った買い手のつかない野菜を買い取ってあげる」という佐藤さんのこだわりのせいもあって、店頭に並ぶ野菜はとにかく値段が安い!味も値段も店の雰囲気も独特のスタイルを持っているので、評判は確実に広がってきているようです。
 「別の地域にも里ちゃん市場を出店して、塩江をもっとアピールしたい」と野望をいだく佐藤さんが、新聞でふと目にしたのが丸亀市の「パイオニアマート」の記事でした。「商店街のビルのテナントを無料で貸しますので、半年間商売の練習をしてもらって商店街で店を出してください」という丸亀TMO推進協議会の試みに即座に反応し、「里ちゃん市場・丸亀店」が誕生しました。
  現在、オープンから1ヶ月少々たちました。「まずは店を知ってもらいたい」と日々、丸亀店の従業員はお客さんとのコミュニケーションを図っています。


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